中小企業の会社ブログは自社の資産になり得るのか?

中小企業にとって、会社ブログは重要な資産となり得ます。ただし、もちろんキャッシュではないので、その価値は会計上の資産として認識されるわけではありません。お金ではなく、長期的な視点で見た際の経済的価値や競争優位性を生み出す潜在力にこそ、真の資産性があるといえるでしょう。

十分に育ったブログは自社に収益をもたらす「資産」である

ウィキペディアによれば、資産とは「貨幣を尺度とする評価が可能で、かつ将来的に会社に収益をもたらすことが期待される経済的価値」と定義されています。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%87%E7%94%A3

この観点から見ると、十分に育ったブログサイトは多くのアクセスを集め、問い合わせや自社のファン獲得につながる可能性があるため、資産的性質を帯びていると考えられます。

一つの目安として、サイトM&Aで評価される程度まで成長したブログは、資産と呼んでも差し支えないでしょう。しかし、ここで重要なのは、単なる一時的な収益ではなく、持続的な価値創出能力です。例えば、問い合わせから発生した受注、サイトを経由した商品購入、アフィリエイト等での月間売上が10万円のサイトであっても、1年後にはアクセスも収益もゼロになる可能性は十分にあります。特に「稼げる」と喧伝されているジャンルほど、この傾向が顕著です。

一方で、競争の激しくない特定のニッチ市場では、5年や10年放置しても一定の収益を生み出し続けるブログも存在します。これらは多くの場合、情報の希少性や作成の困難さゆえに、他者が容易に模倣できないコンテンツを提供しています。

中小企業が取るべきブログ戦略はなにか?

では、中小企業は自社ブログの運営において、どのような戦略をとるべきでしょうか。一般的なブログであれば、ブルーオーシャン戦略を取ることが一つの「勝ち筋」となります。逆に、不動産投資や株式投資といったユーザーが殺到する分野では多くの競合が存在するため成功は難しく、たとえ成功しても一時的なものに終わりがちです。中小企業が運営するブログにおいても同じことがいえるでしょう。

したがって、中小企業が会社ブログを真の資産として育てるには、自社の強みを生かした独自のコンテンツ作りや、競合の少ないニッチ市場への特化など、戦略的なアプローチが求められます。例えば、自社の専門知識や経験を活かした独自の情報提供や、顧客の悩みに寄り添った具体的な解決策の提案などが効果的です。

また、ブログの資産価値を高めるには、継続的な更新と記事のクオリティ管理が不可欠です。定期的に新しい情報を追加し、既存のコンテンツも適宜更新(リライト)することで、SEOの評価も高まり、長期的なアクセス獲得につながります。

さらに、ブログを通じて構築した顧客との信頼関係は、金銭的価値以上の重要な無形資産となります。顧客の声に耳を傾け、それをブログコンテンツに反映させることで、より深い顧客理解と関係性の構築が可能になります。

まとめ

結論として、中小企業の会社ブログは、適切な戦略と運営によって、確かに自社の重要な資産となり得ます。それは単なる情報発信ツールを超え、顧客との関係構築、ブランド価値の向上、そして持続的な収益創出につながる、多面的な価値を持つ資産なのです。

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