コンテンツディレクターが外部ライターと良好な関係を構築するための5つのポイント

記事の制作を依頼するライターと良好な関係を構築することは、コンテンツ制作において重要です。外注したものの、期待したような成果が得られなかったり、良好な関係が構築できなかったりする場合は、どこかに問題があると考えられます。本記事では、ライターとの良好な関係を構築するためのポイントを5つにまとめました。

記事制作を外注している企業のメディア担当者やディレクターがライターと良好な関係を築くために必要なことは

コンテンツを安定的に運営するには、ライターの協力が欠かせません。クオリティの高い記事を定期的に制作しているメディアの多くは、ライターと良好な関係を築いています。言い換えれば、ライターと良好な関係を築くことは、メディアの安定運用や、一定のクオリティが保たれたコンテンツ制作に欠かせないものです。

一方、メディアを立ち上げたものの運用がうまくいかなかったり、記事のクオリティが安定しなかったりするメディアにおいては、ライターとの関係がうまくいっていないことが珍しくありません。

では、その違いはどこにあるのでしょうか。

1. 定期的なコミュニケーション

まずライターとのコミュニケーションは、スムーズに行うことが求められます。情報共有やフィードバックのやり取りが円滑に行われることで、効率的なプロジェクト進行が可能となります。

そのため、外注ライターとは定期に情報共有する場を設けると良いでしょう。作成してほしいコンテンツの関する依頼だけでなく、自社メディアの方針などを伝える機会をつくるようにしましょう。ライターやデザイナーなど外部パートナーを招いて懇親会を設けるなども効果的です。

ChatworkやSlackなどのコミュニケーションツールを使用している場合は、こまめなやり取りを意識すると良いでしょう。普段の連絡は記事の制作依頼と納品の連絡のみ、といった場合は、ややドライな関係といえるかもしれません。適度に、仕事の進め方の相談や、現状のやり取りについて過不足がないかなど、ヒヤリングの機会を設けることも大切です。

2. 相手を尊重した対応

信頼関係は、ライターとディレクターなどメディアの担当者の間で欠かせないものです。ライターと記事制作を発注する担当者の双方が誠実に業務に取り組むことは言うまでもありません。ライターはクライアントの要望やニーズを理解し、それに応えることが求められます。一方、発注側はライターの能力や専門知識を信頼し、適切なフィードバックや指示を行う必要があります。

また、発注側は、外部ライターを「下請け」とみなすことは避けるべきでしょう。ライターなどの業務委託者を下請け業者と都合よく利用するのではなく、自社で行えない業務を補完してくれるパートナーとして対等にかかわることが重要です。業務委託している側も、発注者が乱暴な指示を出してくる、雑に扱っているなどは感じ取るものです。

納品時にしっかりコメントを返す、納品物のクオリティについても定期的にフィードバックをするなどを欠かさす行いましょう。また、掲載された記事の反応(PV、社内の評価)などがあるとライターはうれしく感じるものです。関係構築のためにもぜひ行ってみてください。

アクシデント発生時こそ、普段の信頼関係が問われる

ライターは、案件に対して柔軟な対応力を持つことが求められます。プロジェクトの変更や修正があった場合には、迅速に対応し、適切なアクションを取ることが重要です。また発注側も、急な方針転換や、エンドクライアントによる要望などが発生した場合はライターに迅速に連絡し、その後の対応を速やかに決定する必要があります。

仕事をしている以上、何らかの原因でアクシデントが発生することはあるでしょう。その際こそ、どのような関係を築いているから問われます。関係がしっかりしていればアクシデントにもタッグを組んで取り組むことができるでしょう。一方、関係が希薄であれば、ライターは最低限の対応に終始するかもしれません。

3. スケジュールや締切の厳守

ライターは、スケジュールや締切に厳守することが求められます。記事の納品が遅れることは、その後の原稿確認や記事の掲載スケジュールの遅れにつながります。明確な理由なく約束した期日に遅れることは信頼を損なえることになります。

一方、発注側のディレクターも、スケジュールの先出しなどをしてライターの都合を確認しておくことが求められます。案件によっては、スケジュールが確定するより前に、ライターにある程度の予定を伝えておくことも良いでしょう。

また案件を進めている途中でスケジュールの変更などがあった際には速やかにライターに連絡することも重要です。納品物の確認後の対応も重要です。原稿の修正を依頼する際も、ライターに即日対応など無理なスケジュールを強いるのでなく、可能であれば修正対応も含めたスケジュールを組んでおくとよいでしょう。

4. フィードバックへの対応

ライターは、クライアントからのフィードバックに積極的に対応することが重要です。フィードバックを受けて適切な修正を行い、クライアントの要望に応えることが求められます。クライアントからのフィードバックを次回の納品物のクオリティに反映させることも欠かせません。フィードバックの内容と同じレベルのミスをしないことは重要です。

ディレクター側に求められることは、定期的なフィードバックです。記事を納品してもらって終わり、ではなく、納品物に対する評価はぜひ行いたいものです。記事のクオリティが低い場合は、ライターに対する不満を内々でため込むのではなく、良し悪しを素直に伝えることが大切です。信頼関係を築けているのであれば、誠意あるフィードバックはより深い信頼構築につながります。また、ライターのレベルアップにも寄与するでしょう。

「メディアが立ち上がったばかり」「ライターの出入りが激しい」「ライターのクオリティが安定しない」といった場合は、フィードバックを積極的に行うと良いでしょう。

5. プロジェクトへの積極的な参加

ライターに期待されていることは、納期までに質の良い原稿を作成することだけではありません。実は、プロジェクトに積極的に参加することを期待しているクライアントも少なくありません。提示された記事の企画をただ素直に受け取るだけでなく、よりよい構成への提案をすることも良いでしょう。また、編集会議や新しい企画の提案などを積極的に行ってくれるライターを歓迎する編集者も多数います。ライターは、自分がかかわっているメディア、コンテンツへの関心を高め、チームの一員としてメディアの発展に貢献する心構えを持つと良いでしょう。

一方の編集者も、ライターを一人の記事生産者ととらえることに終わらず、ともにメディアを盛り上げるチームの一員ととらえることが重要です。ただルーチン的に記事制作を依頼するだけでなく、機会があれば編集会議への出席を促したり、今後の方針などを可能な限り伝えたりすると良いでしょう。

ライターとの事前面談時に確認しておきたいこと

新たに外部のライターに記事制作などを依頼する前に、事前面談の機会を設けることをおすすめします。事前に面談をすることで、ライターの実績や仕事への姿勢やうかがい知ることができるからです。面談の際は以下のポイントに注意しましょう。

まず、面談時には、ライターのポートフォリオを持参してもらうと良いでしょう。その人がどのような記事を制作してきたかがわかるからです。しかし、その記事をすべてそのライターが書いたとは限りません。納品後に編集者が手を入れている可能性は十分あります。納品した記事と実際に掲載された記事の内容が大きく変わっていることも珍しくありません。できれば、納品時の「生原稿」を確認したいところです。

また、記事制作にかかった時間についても確認すると良いでしょう。通常であれば、記事のテーマ等について入念に調べ、そこからライティングに移るので、一定以上の時間がかかるのが普通です。しかし、極端に早い時間で完成している場合などは、自分でテーマや内容を理解せず、関連記事などをうまく流用し、コピペととらえられても仕方ないような多少の文字調整程度で記事を作り上げている可能性があります。効率の良さといえなくもないですが、あまりに短時間で制作している場合は、実際のライティングスキルに疑念を持つ必要もあります。

さらに、普段使用しているコミュニケーションツールについても確認しておきましょう。ChatworkやSlack、メールなど、お互いにとってストレスなくやり取りできるコミュニケーションツールを選びましょう。Zoom、Teamsなどのオンライン会議ツールも同様です。

ライターの稼働時間について確認することも重要です。連絡がつきやすい時間や、休日に充てている日など、プライベートに踏み込まない範囲で確認しておくと良いでしょう。現在手掛けている他の案件などがある場合、ボリューム感を把握しておきましょう。取材などを依頼する場合や打ち合わせが発生するような案件であれば、対応できない曜日や時間帯を把握しておくことは、のちに実際に記事制作を依頼する際に効果的です。

まとめ:外部ライターと良好な関係を長期的に構築するために積極的なコミュニケーションとリスペクトは不可欠

ライターとクライアントの関係は、長期的なものであることが望まれます。信頼関係を築きながら、継続的なコンテンツ制作を行うことで、メディアの発展などより良い結果を生み出すことができます。

クライアントとライターはお互いを尊重し、協力しながらプロジェクトを進めていくことが大切です。リスペクトを持ち積極的なコミュニケーションを続けることが、外部ライターと良好な関係を築いていくことにつながるでしょう。

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