「記者ハンドブック」は、ライターにとって必須のツールです。しかし、この本の存在を知らない在宅ワーカーも少なくありません。クライアントワークにおいて活用する機会も多い記者ハンドブックは、フリーランスや在宅ワーカーとして活動するライターにとって非常に重要です。
記者ハンドブックは多くのメディアの表記基準となっている関係者必携の一冊
共同通信社より発行されている「記者ハンドブック」は、1956年の初版以来、多くのジャーナリストやライターに愛用されてきました。新聞社や出版社などのメディアが情報発信する際の表記はこの本に準じていることが多く、それ以外の場面においても文章表記のベースにもなっています。2022年に発行された最新の第14版は、デジタル時代に対応した内容が追加されています。
700ページ超にわたる記者ハンドブックの中で最も活用するのが「用字用語集」でしょう。
漢字書きなのか、平仮名書きなのかの判断は、ライターが個人で下すものではありません。多くのメディアではそれぞれ書き方が定められています。
例えば、二通りに読める漢字はどのように表記するのか、果物の名前は漢字で表すのかカタカナ書きなのか、などです。用字用語が細かくまとまっているメディアもありますが、「記者ハンドブックに準ずる」としているメディアも多数あります。そのようなメディアの案件を請け負う場合、記者ハンドブックは必携です。大げさなようですが、記者ハンドブックを持っていなければ、プロのライターとしてまともな仕事ができない場合もあるとも言えます。
プロのライターとして活動するのであれば絶対に持っていてほしい!
記者ハンドブックは在宅ワーカーとして活動するライターの強力な味方となるツールです。普段の仕事から記者ハンドブックを活用することで、文章力の向上はもちろん、プロ意識や倫理観を養うのにも役立ちます。(記者ハンドブックには、差別語や不快語、ジェンダー平等への配慮に関する表記基準も掲載されています)
また、この本を活用しながら原稿を作成することは誤字脱字の減少、クオリティーの向上も見込めるため、クライアントの信頼アップにもつながるでしょう。言い換えれば、記者ハンドブックの存在を知らないライターは用字用語の使い分けの判断がついていない場合が多く、信頼性に欠けることもあります。
「記者ハンドブック?なにそれ」というライターは個人的にちょっと心配。ライターへの評価基準にもなる
個人的な意見になりますが、当社では外部のライターさんに仕事をお願いする前の段階で、記者ハンドブックを持っているかどうかを確認するようにしています。記者ハンドブックを持っていて日ごろから活用しているかは、そういった仕事を普段受けていたり、意識した原稿作成をしていたりする判断基準になるからです。一方「持っていません」「なんですか、それは?」という反応のライターさんの場合は、そのような仕事をこれまでされてきたのだな、という判断になります。
もちろん、それでNGと決めつけることはありませんし、仕事を発注しないということではありません。所有していない場合は購入することをお勧めし、記者ハンドブックに準じた表記で原稿を作成してほしいと伝えます。ただ、存在も知らないという場合はちょっと気になるのが正直なところです。
また、私が講師を務める「在宅ワーカー向けライティング講座」などでは、受講者に記者ハンドブックはライターとして活動するための必ず必要な道具の1つとして、持っていない方には購入するように必ず伝えています。もちろん、最新版が出たら都度、買い替えることは言うまでもありません。
プロフェッショナルを目指すのであれば必ず入手しよう!
ライターはとして活動するのであれば必ず一冊は入手し、自宅やカフェなど、どこで仕事をする際も、常に手元に置いて活用することをおすすめします。記者ハンドブックを使いこなすことで、より質の高い、読者に価値ある記事を生み出せるはずです。それはもちろん、在宅ワーカーとしての将来的なキャリアアップにも、大いに貢献してくれるでしょう。
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