この仕事を始めたころ「ライターが飛んだ」という話を先輩たちからよく聞いていて「飛ぶってどんなことなのか?」とあまり気にしていなかったのですが、久々に思い出したのでちょっと書いてみます。
しばらくぶりに先輩後輩たちに会って思い出したトンデモ人物
先日、私が大学卒業に初めて入った会社の同窓会がありました。当時の若手(20代)の先輩後輩たちが10人近く集まり、みんな変わってなかったり、話す内容は25年前と同じだったりと、昔に戻ったようなな感覚でとても楽しい時間を過ごしました(^^
さて、そこで思い出したのが「飛ぶライターがいる」ということです。飛ぶとは「仕事が飛ぶ」ということですね。ある日、無断でいなくなり音信不通になる、ということです。25年前は私は出版業界の端っこに加わってアシスタントとして先輩から仕事を教わっていた状態でした。そのため、あまりよくわからなかったのですが、会社の先輩たちは外部のライターに仕事を依頼していることも多く、そこで「ライターの●●が飛んだ」などという話をチョコチョコ耳にしていました。
その会社で仕事をしていた時に、私は依頼したライター、デザイナーに飛ばれた経験はなく、その後もしばらくはありませんでした。しかし、独立して数年して、初めて「飛ばれる」経験をしました。同窓会でそのことを久しぶりに思い出しました(^^;
最初は意欲にあふれ有望な人材に思えたのだが・・・
その飛んだライターと知り合ったのは、あるマッチング交流会です。仕事を依頼したい企業側と、自身のスキル・経験を売り込み仕事につなげたいライターやデザイナーさんが一堂に会する場です。主に在宅ワーカーでスキル・経験は人によりけりですが、多くのワーカーさんは意欲があり、私はその場に好感を持っていました。
当社のブースに来たライターさん(後に飛ぶ人)は、経験はあまりなかったものの、とても意欲的で募集していた仕事内容に興味を持ってくれて、やりがいがあるのでぜひやってみたい!ということでした。
後日、ブースに来ていたいただいたお礼もかねてメールを送ると、ぜひ仕事にチャレンジしたいので一度話を聞かせてほしいということで、事務所にも来られました。そこまで前向きであればぜひ、ということで私もその方にライティング業務を依頼することにしました。
一度、原稿は上がってきたものの・・・
経験はあまりない、ということである程度、原稿の構成はこちらで固めること、不明点は気軽に連絡してほしいことなどを伝えて執筆に入ってもらいました。
後日、締め切りまでに原稿を送ってもらったので、内容を確認しました。経験が不足しているからか少々足りない点があり、それを修正してもらいたく、メールを送りました。修正は必要だったものの、原稿のクオリティがあまり高くなかったのは、私はほとんど気にしていません。経験不足もありますし、こちらの伝え方も良くなかったかもしれません。クオリティはこれから上げていけば良いので、積極的にチャレンジしてもらえれば全然OKです。しかし、不穏な雰囲気になったのはこのあたりからです(^^;
待てど暮らせど連絡は来ない
週明け月曜日にメールを送り、数日たったのですが何も連絡はありません。いちおう全体の締め切りが迫っているのでこちらもあまり悠長に構えているわけにもいかず、その週の金曜日に仕方なく電話をしました。電話には普通に出てくれ、メールを確認しているかを聞いてみると、確認していない、との返事でした。
ということで、原稿の修正をお願いしたいからメールを見てほしい、メールに締め切り日も書いてあるから対応してほしい、納期が難しいようなら調整するので連絡してほしい、ということを伝え、「わかりました」との返事をもらい、電話を終えました。そして、それが最後のやり取りでした(^^;
なぜ飛んだのか、そしてなぜ今まで飛ぶ人がいなかったのか
その後に数度、メールと電話をしましたがなにも返事はありませんでした。電話をした際は留守でも残しましたが返事はなし。その人がなぜ飛んだのかはわかりません。面倒くさくなったのか、自分のレベルだと修正に対応できなくと思って逃げたのか、それとも何か自身や家庭の事情があって連絡が取れなくなったのか。まあ、これ以上待っても仕方がないので、もうこの仕事は切り上げてこちらで仕上げをすることにしました。
さて、25年前の先輩後輩たちと会って思い出したのは、なぜ独立して初めて、ライターに飛ばれたのか、ということです。そう、先輩たちに教わりながら仕事をしていた時は、飛ぶようなライターと仕事をする機会がなかったからなのです。飛ぶ危険な臭いがするライターだと感じたら、先輩たちが排除してくれていたわけです。結果、私は先輩から信頼できる実績あるライターばかりを紹介してもらい、その人たちに原稿を依頼し、滞りなく仕事を進めていたのです。独立して初めて、飛ぶような危険のあるライターにぶち当たったということです(^^;
今さらながら、先輩たちにフォローしてもらいながら仕事をしていたんだなあ、と思った次第です(^^;
飛ぶようなライターなのか見極める方法はあるのか?
では、今後、どう気を付けていけば良いのか?実績のあるライターさんに依頼するのが良いのでしょうが、初めて仕事を依頼するライターさんの場合、信頼できるのかどうか、飛ぶ可能性などは大丈夫なのかを判断するのは限界があるでしょう。
予防策としては、以下のようなことが考えられると思います。
・とにかくまめに連絡する
・余裕を持った納期を設定し、飛んでもダメージが最小限で収まるようにする
・業務委託契約書等で、業務不履行について明記し、飛んだ場合はきっちり損害賠償請求をする
飛ぶような人と出会わないことが一番幸せなのですが、出会ってしまった場合は仕方ないのかもしれません。